(07)買い物

 買い物を好きなだけ、お金を考えずにするのは私の夢である。
  紅茶に本に、アロマの精油にお菓子の材料、ビーズの材料、オーラソーマのボトル、新しいノートパソコン、アジアン雑貨、和服、などなど。欲しいものを数えていったらキリがない。
  楽天を見ていると欲しいものだらけでよだれがだらだらである。
  世の中は便利になったものだ。ボタンひとつで遠くまで探しに行かなくても欲しいものが手に入る。

 しかし、実際に歩いてお買い物をする楽しみは通販の比ではない。
  ブティックで自分の好きな服を思う存分買いあさりたい。お金のことを考えずにファッションを楽しんでみたい。新しい洋服をしこたま買った状態で喫茶店に入って美味しい紅茶とケーキがあれば尚よしだ。

 物欲には限りがないが、お金には限界がある。
  実際に何かひとつ、なんでも買ってあげようと神様が言ったら、私は何を頼むだろうか。
  すぐさま私は、家を買ってほしいと言うと思う。とても強欲である。
  欲しい家は、駅の近で、なおかつジュンク堂規模の本屋が近くにある家だ。コンビニと巨大スーパーが近くにあると尚いい。
  そんな家があるのか? と自分で聞きたい。たぶんないと思う。
  だから私は贅沢を言わず、「ドラえもんのどこでもドアが欲しい」と言うことにする。とても謙虚だ。
  どこでもドアさえあれば、箱根湯本の大自然の中に広い家をかまえて、仕事と買い物だけ東京に出ることが可能ではないか。もしかしたら輸入店でなく、直接外国にお買い物に行くことができるかもしれない。
  そんなことができたら私は間違いなく、スリランカに紅茶を買いに行く。そしてMさんはイタリアに珈琲豆を買いに行くだろう。
  なかなかいいアイデアだと思ったわけだが、どこでもドアをどこに行けば買えるのかがわからない。この案も却下か。

 お金があったら何を買いたいか、考えるととても楽しくて仕方がない。
  買い物した気分になって、楽天を閉じるのであった。

 実際に手近なところで、お金があったら買ってみたいもの、ということに話題をしぼってみる。
  ヨード卵と卵かけご飯専用の醤油が欲しい。そして美味しいコシヒカリ。
  きっと世界一美味しい卵かけご飯ができると思うのだ。