(14)ひとり

 結論から言うのであれば、人間は生れたときからひとりぼっちだと思う。
  双子であろうと、解離性障害であろうと、自分は自分でしかなく、他人とちがう個であるといえる。
  だから他人を求めるようにできているんじゃあないだろうか。ひとりは寂しいから、だからぬくもりを探すんじゃあないだろうか。
  自分がふたりいたら、うるさいかもしれないし、食事の量もふたり分必要になるわけだけど、でも他人を必要としないかもしれない。他人に満たしてもらわなくても自分ひとりでなんとかなっちゃうかもしれない。

 私の友達で、「自分がふたりいればいいのに。そしたら遊びに行くのもおしゃべりするのも自分でやるのに」みたいなことをぶっちゃけた子がいる。
  私はその人みたいに自分ひとりだけで自己完結できるかわからないが、ひとり喫茶もひとりマックもお手の物だ。とりあえず誰かといっしょでないと怖いということはあまりない。

 私は個人主義だけど、さびしがりやでもある。
  人といっしょにいたいけど、プライベートは守りたいと感じるような我侭な人間だ。
  だから人といっしょにいて、自分が個であることを侵害されると、縁を切ることがある。私は自分が自分でなくなってまで、他人といっしょにいたいとは思わない。とても我の強い人間だ。

 何度も言うけど、私はひとりだ。
  他人との接点があろうとなかろうと、生れてきたときから死ぬときまでひとりだ。
  だから自分の置かれた境遇も、判断も、何をつかんで何を捨ててきたかも、全部自分の責任だと思っている。
  他人のことをかぼちゃと思えるほど悟ってはいない。今もさびしがりや。
  だけど心はいっぱしに一匹狼だ。
  ちょうど私の誕生日占いの結果に「茶目っ気のある一匹狼」とあった気がする。
  茶目っ気はもうちょっと欲しいと思う。最低でも友近くらいの茶目っ気がほしい。