01存在理由

存在理由――

そんな言葉も既に遠く聞こえるだけで

もう自分が誰のために生きているのかとか
自分のために生きているのかとか

そんなのも遠い昔に考えていたこと

何かを言おうと口を開けば
口癖のように出てくる言葉は「馬鹿馬鹿しい」

お前以上の阿呆がどこにいる

 

02箱庭の空

正岡子規が最後に見つけた世界が
畳三畳分の自宅の庭だったように
私の箱庭はこのパソコン

私が私の眼を見開かない限り
そこはただの箱庭でしかなく

何も教えてはくれない
何も学ばせてはくれない

 

03desire

私の望むものは
終わりなき永劫の眠り

 

04望みなき恋

たしかにあれは恋で
あなたはたしかに存在してて
一度は互いを愛したのもたしかで
必要としたのもたしかで

けれどもあなたはどんどん薄くなっていって
最後は私の目に見えなくなってしまった

あなたは存在していたのに
今あなたは私の中にいない

出会いも別れも曖昧なまま
二人は離れていく

 

05消失点

それは面積のない点への
曲線の集合体のようなもので
どこまでも無駄がなくて
どこまでも美しい
あまりに夢のようで
私は憬れるだけ。