26ひとりぼっち

最初からひとりぼっちならば
ひとりぼっちだなんて思わなかったに違いない

本当にひとりぼっちならば
何かを訴えようとこんなに躍起にはならなかったろう

最期はひとりぼっちだと思えば
今こんなに孤独に怯えることもなかっただろう

ひとりぼっちになることに怯えて
孤独感というひとりぼっちに溺れる

これを本末転倒と人は言う
独りじゃないことに気づけないお前などに
誰も同情などはしない

 

"わたしは眠る"

そのまま寝てろ。

眠るのだからこんなの書いている場合じゃない

だったらさっさと切り上げ寝ればいいだろこの体たらく!

そんな一人上手をするワタシ、切ない。

 

28抱擁

人に触れるのは嫌いだ
人に触られるのも嫌いだ

ただなぜか私はいつも
体温を求めて彷徨っているように思える

 

29裏切り

親友という言葉がそもそも
裏切りの始まりだと思う

 

30犠牲の羊

あのアベルが捧げたのは
子羊だったかしら子山羊だったかしら

あの狼に食べられちゃったのは
七匹の子羊だったかしら子山羊だったかしら

………

どっちも山羊だった気がする