腹いっぱい食べてテーブルに丸くなって眠っているユアを見つめる。
  ジミーはユアの頬を軽くつつく。
  りんごと間違えてかぶりついたようだが、すぐに味が違うと思ったようでぺっぺとされた。
  そしてまた眠りにつく。

 完璧寝ているなあと思いながら、こんな小さな生き物の命を奪っても楽しくないなあと思った。
  仕方ないので上から紙ナプキンをかけておく。
  彼女が目を覚ましてもすぐにジミーの姿がわからないように。
  ぼんやりと、こつ然と宙に姿を表したカボチャを頭にかぶった。
「さあて、おやつの時間は終了だ」
  包丁をまな板に突き立てて、かわりにナイフを握る。
「りんごみたいにざくざく斬ってくるわ」
「むにゃー」
  気づかない。ユアは今も夢の中。
  カボチャをかぶった状態で振り返る。夢魔としてのジミーが。
「頭から8等分にしてやりてえ」
  しかしそんなジミーの言葉には気づかないようで。
「いってきます」
  律儀にそんな返事をしない彼女に挨拶している自分がいた。
  そんな律儀な通り魔。

 

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