「マジでか。美少女になっちまってる」
金魚さくら(かなうおさくら)は金魚柄のTシャツを触りながら、自分に起こったありえない事件について考えた。
どうしてこうなった。\(^o^)/
文章の後ろに顔文字をつけるようなこと普段はしないが、今の思考にシリアスな文章など似合うはずもない。
ティーポットの妖精がこちらを見つめてじっとしている。
旅人と話していたので、警戒しているのかもしれない。
「お前! ビア腹のなんなんだ!?」
「作者です」
他に何があるというのだ。キリっと答えた。
「金魚さくらと書いてかなうおさくら。金魚(きんぎょ)の擬人化である。俺、人間じゃなかったみたいだ」
「ルネも金魚じゃないがポットだぞ!」
「知ってる。ルネたんルネたん」
「知ってる! タンバリン叩く音だろ」
図書館の西日が黄金色に金魚を照らした。赤い髪の毛がきらきらとうつくしい光を放った。
違和感。 後ろにタグで(#金魚とは)とか入りそうな感じ。
「ところでこの飛ぶやつ、どうにかできないかな」
「重しをつけたらどうだ?」
ルネは近くにあった金魚鉢を金魚に持たせた。
金魚はこれしきの重さでなんとかなるものだろか、なんともならないと感じた。
「ルネたん、どっかに命綱的なロープないかアーーーーーーーー」
金魚は高くトンだ。
シャンデリアにひっかかった金魚を見てルネが笑う。
とりあえず飛んでおけば笑いはとれることを知った。生きやすそうだ。
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