体罰は暴力か

 おやつを無断で持ってきた小学生の生徒たちにびんたをしていった体育教師が戒告処分を受けたというニュースを見たことがある。
  それを見たとき「よくわからない」と思った。
  よくわからないというのは、毎回思う「短い文章だけでは情報が不足している」という意味でのよくわからないもあるのだけれども、それに対する毎度のような色んな人の見解だろう。
「暴力はいけない」という人もいれば「こんなんじゃ子供に嘗められるんじゃね?」という人もいる。
  だけど暴力はいけないって理由だけじゃ躾を怠っているともいえるし、自分が叩かれてタフに育ったからって誰かを叩くってそれって暴力を肯定することを子供に教えているようなものだ。

 人間は怒れば自然と手に力がこもるものだが、それは相手を殺して自分を肯定しようとするという本能だそうだ。
  本能にそって行動すりゃ動物的ともいえるけれども、動物的なところこそ人間の本質的な部分じゃあないかって見方もできると思う。

 教育って一言じゃ表現できないものだし、やる気がありすぎてもなさすぎてもできないものな上に、志のある先生ばかりじゃあないし、そして志のない親も多い時代である。
  教育界の「あれがいけないこれがいけない」と言うのは簡単だけれども、じゃあ自分ならどうするか、それが正しいのか、聞かれたら答えようのない問題ばかり。
  だけど教師というのは教えるのが仕事なわけだから、なんらかの答えを教えねばならないのだ。

 ひとつだけ言えるのは、教師が「個人的な」方針で誰かを指導してはいけないということ。
  誰にだって自分だけの信念や正義があるだろうけれども、今の時代は教師にとってはやりづらい時代でもあって、やはり国の方針や教育委員会の方針というものにそって行動するべきだと思う。

 結局言いたいこともよくわからなくなってきた私なわけだが、たぶん言いたいことは「教育は私にはよくわからない」ということだと思う。
  きっと誰にも「これが正しい子供の教育だ」なんてものはわからないんじゃあないだろうか。
  正しいという言葉は、数学以外ではほとんど使えないに等しいと思う。