どこの国に住みたいか

 私は言語が達者で、どこの国でも暮らしていけるだけの実力があるなら、一度幸福度が世界一というデンマークで暮らしてみたい。
  日本が駄目だとかそんなことは言わない。あっちよりこっちのほうがいいとか言うわけではない。
  ただ、国民のほとんどが「私は幸せです」と言えるような社会とはどんなものかを見てみたいのだ。
  心の底から「幸せです」と言える瞬間ってどれだけあるだろうか。自分に言い聞かせる目的以外で、「私は幸せ」と感じられる日は一年のうち何日あるのだろう。
  モノカキ友達が
「いろんな国の、14歳くらいの子どもに自己肯定感についてアンケートを取った結果、統計とった国の中で、いちばん低いのが日本。その次が韓国という結論になったそうだ」
  と教えてくれたことがある。
  個人的に違う育てられ方をした人もいるだろうけど、日本は「駄目だ駄目だ」って言われて育つこと多そうだ。韓国も儒学社会だから似たようなところがあると思う。
「親を大切にしろ」とか「みんなに親切に」とか言われる機会は多くても「自分を大切にしなさい」とか「いじめられたらランドセル置いて逃げていい」って教える親は少ないと感じるのだ。

 そんなに自分を大切にすることは、いけないことなのだろうか。
  そんなに親切でなくてはいけないのだろうか。

 心から自分にOKを言える人というのは、誰かに肯定されなくても自分の信じることを貫ける、強い人間になれるのではないかと思うのだけれども、それは自分勝手で他人を大切にしない行為なのだろうか。

 そう考えても、やっぱり自分に子供がいるわけではないし、自分がどれだけ自己肯定できるかを考えると、ほとんど肯定できないことに気づいた。私はなんだかんだ、自分の求める理想を求めていると思う。
  でもその理想を全部叶えたとき、私は自分にOKが言えるのだろうか。
「私はこれもできるしあれもできるし、こんないいところがあって、こんな素晴らしいところがあるから自分にOKを出します」
  とでも言うのだろうか。その根拠が崩れたらどうなるのだろう。

 むしろここは根拠無く
「私、自分のこと好き。理由がなくても好き」
  と言い切れるほうがずっとずっと、安心する気がするのだ。そう言えるようになるのが、私の理想なのだ。