私の悪いクセ

 私がよくやってしまう悪いクセ。
  それは分析だ。
  心理学や自分の知識、マインドを使って、それを望んでも頼んでもいない人たちのことを勝手に頭の中で分析することがよくある。
  この人はこういう思考に陥っている、この人はこういう価値観が正しいと思っている、この人はこういうことをやったら恥ずかしいと思っている、そう分析しているときがある。
  非常に迷惑だと思う人もいるだろう。余計な御世話だと思う人もいるはずだ。

 もっとハートで動ける人間になりたい。今もハートで動いていると思うけれども、いっしょに頭も動いてしまう。感覚と感情の裏づけを、理性と知識でしたくなってしまうのだ。
  だけど何かあるたびにこう分析されていては、とても不愉快だと感じる人もいるのではないかと思う。
  だから余計なことは口にせずにおこうと思うのに、なぜか王様の耳はロバの耳といわんばかりに、非公開の場所で呟いたりすることがあるのだ。この稚拙な自分をどうにかしたい。
「オフレコだけどね、こういう風に私は考えているんだ」
  そういうふうに、誰にも言えないときはこっそりノートに書きこむ。誰にも見られないように、こっそり本当の日記のようなものに。
  そうやって自分の考えを整頓すると安心する。
  そうして相手の話をフラットに聞ける自分に戻る。自分の考えは全部ノートに吐き捨てて、その人がどう感じるかにシフトできるのだ。

 私はもうちょっとこのプロセスを単純化したいのである。
  自分の心をノートで整頓せずとも理解でき、なおかつ相手の心も理解でき、それを理論と知識の裏づけでなくハートでできるような人間になりたいのだ。
  欲張りすぎなのだろうか。無理なうちはやっぱり知識と理性は必要なのだろうか。
  とても中途半端な人間であることが悩みである。