そんなクリストファーは嫌だ

 この前、Mさんとふたりでクマのプーさんの世界をリアルにやるとどうなるかという話になった。

M「一番可愛くないの誰だろうな。プーが『やあティガー、ガルル』とか熊だし言うんだろうな」
花南「ピグレットが『プププ、プ〜。ブヒッ』とか言うのもいただけないけどさ、イーヨーなんてロバだよ?」
M「逆に可愛いのは?」
花南「カンガルーのルー?」
M「あれリアルだとワラビーくらいのサイズになるっての。お母さんのカンガなんてボクサー顔負けのキックをシュッシュと繰り出すんだぜ?」
花南「豚と兎がプーに食われる羽目になりそうだな」
M「クマのプーさんの世界は弱肉強食がなくなったからいけないんだ。ティガーを見てみろ、飛び掛って押し倒すところまでは覚えているがそこから先が思い出せないだろ」
花南「森を歩いてるとリアルな虎が木の上から飛び降りてきて押し倒されたりしたら死ぬほど怖いですよね」
M「そもそもなんでプーさんの世界は世界中の動物が集まってるんだ? あれどこの国が舞台だよ?」
花南「あれアメリカかイギリスだろ。動物園なんて世界中の動物だらけやん、クリストファー・ロビンが動物集めたんだろ」
母「クリストファー・ロビンがジュマンジの主人公みたいに中年の姿で半ズボンとかすごいと思わない?」

 母親がそう言ったところで、私はリアルにジュマンジの主人公役を務めた俳優の顔でクリストファーを想像してしまった。しかも想像に失敗して、ミセス・ダウトをやったときの彼の顔で想像してしまったのである。
「そんなクリストファーは嫌だ」
  と私は言った。
  母は「そうね、嫌よね」と言ったが、きっと私が想像したのがオカマのクリストファーだなんてことは想像だにしていないだろう。