アンコクエスト

 Mさんが「夢を見たよ」と言った。
  この冒頭は果てしなく鬱な夢か馬鹿夢かのどちらかなのだが、今回は馬鹿夢のほうだった。

M「夢の中でドラクエ2をやっていたんだけど何故かオンラインゲームでだな、仲間はアメリカ人とブルガリア人だった」
花南「それドラクエじゃあないよ」
M「俺の職業は餡子職人。もちろん好きで餡子職人になったわけではない。朝優しいお母さんに起こされたと思ったら、餡子を渡されて魔王を倒しに行くように言われた」
花南「お約束ですな」
M「最初は餡子が武器屋に売ってある」
花南「和菓子屋でなく?」
M「だけどそのうち材料の小豆やずんだしか置かなくなってきて、最後は有機栽培を始める」
花南「魔王倒しに行くまでにブランクありそうですね」
M「そしてハーゴンを倒すときがきた。俺たちはありったけの餡子を捏ねたが、相手も餡子職人」
花南「待て、ハーゴンは餡子でできてるの?」
M「ハーゴンの息子が餡子職人なんだ。自称日本人の外国人だと思う」
花南「主に外国人に受けてるゲームなんだね」
M「道中仲間になった女の人が『今こそ〇〇産の餡子を使うのよ!』と言った。ブルガリア人が『砂糖が切れそうだ』と叫んだところで夢から覚めた」
花南「大変な夢だったね」
M「あんなドラクエやりたくない」

 それはもうドラクエじゃあない。
  アンコクエストだ。