かなり嫌な究極の選択

「頭に発信機と盗聴器を仕掛けられるのとアシタカのかかった呪いをかけられるのどっちがいい?」
  とMさんに聞かれた。
  どっちも嫌だ。死ぬのもやだし、生活音と居場所が全部バレバレなのも嫌だ。
  友人は迷わず生活音だだもれを選んだ。友人や両親に自分がオタクなことを隠しているくせして勇気がある行為だ。私は自分の排泄の音とか聞かれるのは嫌なので、アシタカの呪いを受けてシシ神を探しに行くことにする。

 Mさんの名言は色々ある。
「ポニョは新手のオツコトヌシ様に見える」
  というのがとても印象的だった。
  私はポニョをしっかり見たことがないのでMさんに説明を求めたところ、若い少年の生き血を啜る魚で、それによって人間のDNAを手に入れて進化し、最後は天変地異を呼ぶとか。
  ポニョはオツコトヌシ様というよりもシシ神様のような気がしてきた。
  きっとアシタカの呪いもあっさり解いてくれるだろう。
  しなびたおばちゃんの血でよければ差し上げるので、是非私の呪いを解いてもらいたい。