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「「乾杯ー!!」」
  ファンタを頭上高く突き上げて4人でグラスを空にした。
  山田の部屋の机の上には鶏の唐揚げとポテトチップスとピザが置かれている。
「いやーそれにしても本当私たちあぶれ組ですね、篠宮会計係」
「本当ですね山田生徒会長。受験生は恋愛なんてしないでしこしこ勉強してろってことでしょうかね」
「篠宮しこしこって言い方下品だよ」
「下品なのはお前だよ、英田」
  英田の思考が普通に卑猥すぎて僕は思わず突っ込んでしまった。
  今年受験を控えているために山田のお父さんがワインを開けてくれたけれども僕たちは全員ファンタでいいと宣言した。なんだかんだ、真面目すぎるよね、僕たちって。
「なんかプレゼントって用意した?」
「時計回りにプレゼント交換でしょう? たいしたもんなんて私は容易してないよ」
「篠宮はなんだっていいんだよ。お前は何もやらなくて貰うだけでもいいんだよ」
「英田、これはあれか? 私は逆ハーとかいう現象が今起こっているのか?」
「んなわけあるか!」
  英田と篠宮さんも仲がいい。僕はどうして篠宮さんとうまく仲好くなれないんだろうというのは常々疑問なんだけれども、彼女の豪快さが苦手なんだと思う。もうちょっと女の子らしい人だったらな……そうなった 篠宮さんに興味があるかと聞かれたら疑問だけれども。
「そういや篠宮さんってこの部屋で山田と寝泊りしているの?」
「あーうん、なんで?」
「不純異性交遊かなと思って」
「んな!? そんなことあるわけないだろ、私と山田は幼馴染だもの。普通に風呂だっていっしょに入ったことあるし並んで寝てることだってあるよ!」
「不純じゃねぇか。黒いねー生徒会長」
  英田があははと笑った。ずるいよ生徒会長、職権濫用じゃあないか。
「さーそろそろプレゼント交換しなくちゃな。俺が英田、英田が篠宮、篠宮が三芳、三芳が英田にプレゼントだからな?」
  プレゼントをお互いがお互いに渡して、そして僕は篠宮さんからディスクを貰った。
「何これ……校歌歌ったとか言わないよね?」
「違うよ、プログラミング。三芳のパソコンにいれとくと私が動くんだぜ?」
「キモっ!?」
「うわ、傷ついた!」
「だって篠宮さんが動くって何それ。シーマンみたいなもの作ったんでしょう?」
「どこでもいっしょみたいなプログラミングだってのに!?」
  篠宮さん、そんなものを作っている暇があったら勉強してほしいよ。
  でもまあ貰ったものだし……入れておこうかな。毎日篠宮さんと会えるようになるわけだしね。